価値ある観光列車シリーズ②~現代観光列車の始祖~ゆふいんの森
みなさまこんにちわ。ゆわきーです。
このブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は前回に続き、おすすめの観光列車の2つ目をご紹介します。
よろしければ↓前回の記事も読んでいただけると嬉しいです。
今回は2回目として「ゆふいんの森」をご紹介します。
「ゆふいんの森」はJR九州が博多~由布院・別府間で運転する観光列車です。
★今回のもくじ
1.「ゆふいんの森」の概要
①観光列車界の超ロングセラー
2.「ゆふいんの森」の魅力
①レトロクラシックなインテリア
②ハイレベルな飲食物
③ちょっとしたフリースペース
3.まとめ
①現代観光列車のひな形
②観光列車の入門にぴったり
1.「ゆふいんの森」の概要
①観光列車界の超ロングセラー
ゆふいんの森はJR誕生から少し経った1989年にデビューした列車です。
当初は既存の車両の走行機器を流用した車両を3両編成で運転していましたが、順調に人気を獲得して4両編成に増結。
さらには2つ目の編成が追加される等の経緯を経て、現在は1日3往復体制で博多~由布院・別府間で運転されています。
1989年デビューなので、気が付くと30年選手です。
後発の観光列車の中には、実績が振るわずに本数が減ってしまうものもありましたが、同じ観光列車が本数を増やしつつ30年も続くというのはなかなか例がないことです。
②雨ニモ負ケズ
そんな人気者であるゆふいんの森ですが、30年の間にいろいろな憂き目にもあっています。
みなさんもニュースで聞き覚えがあるかもしれませんが、ゆふいんの森が運転されている「九大本線」という路線は災害に弱く、豪雨で線路が流される等して不通になってしまうことが何度かありました。
特に2017年の九州北部豪雨の際は鉄橋が川に流されるという事態になり復旧作業が長期化しましたが、その間ルートを変えて運転されるという対応がなされました。
さらにはコロナ騒ぎ真っ只中の2020年7月にもまだ鉄橋が流されて長期不通になりましたが、運転区間の短縮と代行バス運転などで対応。(現在は運転再開済み)
なかなかの波乱に遭っていますが、よくぞ頑張って今まで走ってくれているな、と感謝の念がわいてきますね。
2.「ゆふいんの森」の魅力
※筆者はゆふいんの森Ⅰ世(キハ71系)にのみ乗車したことがあるため、以下の内容はⅠ世についてのものとなります。
ゆふいんの森にはもうひとつ別の車種(ゆふいんの森Ⅲ世:キハ72系)も使われており、そちらは内装等が異なりますのでご注意ください。
①レトロクラシックなインテリア
ゆふいんの森の大きな魅力は「落ち着きのある車内インテリア」です。
内装にはエントランスから客室まで木材がふんだんに使用されており、優しい印象を受けます。
JR九州の車両はインテリアに木材を使ったものが多いのですが、後発のものが和のテイストを取り入れているのに対し、ゆふいんの森は純洋風。
さながら、森の中に建つクラシックホテルといった印象です。
30年選手だけあってところどころ傷や劣化があり、古さを感じる部分もあるのですが、それすらも「味」と思わせてくれます。
座席の座り心地は柔らかめで、これまたホテルのラウンジのソファのようです。
このシートに身をまかせつつゆっくりコーヒーを頂く…なんてシチュエーション、とっても優雅です。
日本の鉄道車両の中で、「雰囲気」でここまで落ち着かせてくれる列車はそうそうありません。
②ハイレベルな飲食物
ゆふいんの森には飲食物やオリジナルグッズなどを対面販売する売店がありますが、ここで売られているものが非常においしいです。
ミシュランの星付き店監修のオリジナル弁当にはじまり、地ビールやご当地アイスなど、ラインナップの充実度には目を見張るものがあります。
素敵な雰囲気の客室でおいしい車内グルメに舌鼓をうつ…最高です。
ゆふいんの森に乗ったときは、ぜひランチにでも車内グルメを楽しんでみてはいかがでしょうか。
※注意!
この記事の執筆時点では、新型コロナの影響でゆふいんの森の車内販売の内容が変更されています。
具体的には弁当が完全予約制になっているほか、車内販売の品目が削減されているようです。
これからゆふいんの森で車内販売をご利用予定の方は、JR九州の公式WEBサイトより最新の情報をご確認ください。
特急 ゆふいんの森 | JR九州の列車たち ~JR九州 観光列車【D&S列車】・新幹線~
③ちょっとしたフリースペース
ゆふいんの森Ⅰ世には、通常の座席とは別に簡単な椅子を備えたフリースペースがあります。
椅子が外側を向いているため外の景色を思う存分堪能できるほか、乗車記念スタンプや車内誌などがあり、気分転換にちょうどよいスペースになっています。
このように自席から出歩けるスペースがあると長時間乗車する際の感想が結構変わってきます。
快適な座席でも長時間座っていると少し動きたくなってくるので、「車内を歩き回れる楽しみ」があるというのも、快適な移動時間に必要な条件なのです。
3.まとめ
①現代観光列車のひな形
さて、ここまでゆふいんの森の魅力について語ってきましたが、実はゆふいんの森が備えている要素は後から登場する観光列車たちにもしっかり受け継がれています。
インテリアが特徴的であること。
車内販売でご当地グルメやオリジナルグッズを販売していること。
ちょっとした隙間のスペースに展示品や簡易椅子を置くこと。
そう考えると、ゆふいんの森は現代観光列車のひな型であり、始祖ともいえる存在なのではないか、と思います。
その後、観光列車のパイオニアになったのがこの列車の運行会社であるJR九州だったことも関係しているのでしょう。
ただ、他に同じ形をとった観光列車が増えるとその中に埋もれてしまいそうなものですが、それでもゆふいんの森が今でも根強い人気を持つのはその完成度の高さゆえであると思います。
シートや車内販売商品などのパーツのクオリティもさることながら、それらを統一感のあるインテリアコンセプトでまとめ上げているのは本当にすごい。
もはやこれは「ゆふいんの森という世界観を味わえる」というレベルです。
博多から由布院までは2時間10分ほどですが、その2時間10分を贅沢な時間に変えてくれる名役者。
今は新型コロナで車内販売の縮小などの影響を受けていますが、1日でも早く、この列車の魅力がすべて味わえる状態に戻ってくれるよう切に願います。
②観光列車の入門にぴったり
私は「どの観光列車にのったらいいかわからない」という方にはまず、このゆふいんの森に乗ってみることをおすすめします。
日本の観光列車のエッセンスが詰まっており、なおかつハイクオリティな列車なので、これに乗っておけば「観光列車の楽しみ」を一通り味わうことができます。
博多駅から乗れるのでアクセスはいいですし、1日3往復走っているので、利用しやすさからいってもかなりおすすめです。
ぜひこの列車で森の中のリゾート気分を味わってみてください。
それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。