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価値ある観光列車シリーズ①~パーフェクト・バランス~観光特急しまかぜ

みなさまこんにちわ。ゆわきーです。
このブログをご覧いただき、ありがとうございます。

 

さて、今回からは前回の予告通り、おすすめの観光列車をご紹介していきます。
よろしければ↓前回の記事も読んでいただけるとありがたいです。

hikari100.hatenablog.com

 

今回は第1回目として、「観光特急しまかぜ」をご紹介したいと思います。
しまかぜは近畿日本鉄道が名古屋、京都、大阪(難波)から賢島まで運転している特急列車です。

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このブログのアイコンにもしている、筆者が大好きな車両のひとつです。

 

★今回のもくじ

1.「しまかぜ」の概要

 ①しまかぜ誕生の経緯

 ②近鉄のプレミア特急戦略

 

2.「しまかぜ」の魅力

 ①多彩で快適な座席

 ②絶滅寸前の食堂車

 ③適度な乗車時間

3.まとめ

 ①最高クラスのコストパフォーマンス

 ②観光列車のロールモデル

 

1.「しまかぜ」の概要

①しまかぜ誕生の経緯

しまかぜの誕生以前、近鉄の伊勢・志摩方面への特急利用が減少傾向にあり、テコ入れが必要な状況にありました。
そこで伊勢神宮式年遷宮というビッグ・イベントに合わせて2013年3月に鳴り物入りでデビューしたのがこの「しまかぜ」です。

(このあたりは小田急が箱根行きロマンスカーのテコ入れのためにVSEを導入した経緯に似ていますね。)

 

従来の私鉄特急ではなかなかなかった豪華絢爛な設備が大きな話題を呼び、運転開始直後、この列車の切符はプラチナチケットと化しました。
そして登場翌年の2014年には、JR九州の豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」という超強力なライバルがいたにも関わらず、同年のブルーリボン賞を受賞するという快挙を成し遂げました。

 

登場から8年経ちますが今でも人気は非常に高く、追加料金が必要であるにもかかわらず伊勢・志摩方面の特急の切符はしまかぜから売れていくことが多くなっています。

 

近鉄のプレミア特急戦略

 さて、近鉄はしまかぜの好評を受けてか、他にも2つの路線でしまかぜと同様の「追加料金が必要であるが豪華な設備を備えた車両に乗れる」というタイプの列車をデビューさせます。

 

1つは吉野線の「青の交響曲(シンフォニー)」。
かなり古い列車を魔改造(笑)させたものですが、レトロ調の内装はかなり凝っていて、これまた吉野までの道のりを楽しみにしてくれます。

 

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吉野駅で撮影した「青の交響曲」。非常に目立ちますね(笑)。

もう1つは名古屋~大阪間の「ひのとり」。
こちらも従来の「アーバンライナー」から大幅にパワーアップした設備が話題になりました。
ちょうどデビューの時に新型コロナの騒ぎが始まるという不幸に見舞われましたが、2021年にしまかぜと同じくブルーリボン賞をめでたく受賞しました。
(このときも「サフィール踊り子」という強力なライバルとの一騎打ちでした。)

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名阪特急に新たな価値をもたらした「ひのとり」。


このように近鉄はここ何年かで「各路線に広告塔となるプレミア特急を走らせ、利用促進をはかる」という戦略を取っているようです。

2.「しまかぜ」の魅力

話がそれましたが、改めてしまかぜの魅力を3つほど紹介していきます。

①多彩で快適な座席

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重厚さのなかにも清楚さを感じられる、すばらしい内装。

まずはなんといってもシートの快適さです。

通常の車両でも座席間の前後左右の間隔が非常に広いです。(JRのグリーン車並みかそれ以上)
そのうえシート自体も革張りで電動リクライニング&マッサージ機能付きと至れり尽くせり。快適なシートに身を任せている間にあっという間に目的地につきます。

 

また大人数での利用の際は半個室のようなサロンシートや和洋の完全個室もあり、シチュエーションによってさまざまなシートを選べるのが魅力です。
(ただし和洋個室は1列車につき各1室しかないため、特に休日はプラチナチケットと化します。)

 

②絶滅寸前の食堂車

しまかぜのアイデンティティとして外せないのがもはや日本の定期列車ではほぼ絶滅した食堂車の存在です。(公式ではカフェ車両と呼ばれています)

 

食事つきプランがあるいわゆる「レストラン列車」は非常に増えましたが、そのようなパターンを除き、自席以外の独自のイートインスペースで食事ができる列車はこのしまかぜとJR東日本サフィール踊り子くらいでしょうか。

昔、新幹線や都市間連絡特急にそのような設備が普通に付いていた時代がありましたが、その時代の系譜を受け継いでいる貴重な車両です。

 

私は小さいころ、「100系新幹線の二階建て食堂車でカレーを食べる」という夢を持っていましたが、残念ながら叶わないまま100系新幹線が引退してしまいました。

 

その「食堂車でカレー」の夢を代わってかなえてくれたのがしまかぜだったので、個人的に非常に思い入れがある車両です。

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筆者が初めてしまかぜに乗車した時に食べたカレー。



③適度な乗車時間

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しまかぜのおかげで、賢島までの乗車も全く苦になりません。

しまかぜに乗っていて「うまいなあ」と思わせられる点が「乗車時間」です。

最も長い乗車時間のパターンは京都~賢島の2時間47分ですが、カフェ車両で食事やお茶をしつつ、快適なシートでまどろんでいるともう目的地、くらいの時間設定です。

 

さらに手前の伊勢市や鳥羽で乗り降りする場合は「時間が短い」、「もっと長く乗っていたかった」と思ってしまいます。

 

このように、乗客が疲れずに「もっと乗りたい」と思えるような乗車時間の設定も、しまかぜの魅力につながっている気がしてなりません。
きっとこの魔力にやられたリピーターはさぞかし多かろう、と想像するところです。
(かくいう自分もそのひとりですが)

 

3.まとめ

①最高クラスのコストパフォーマンス

さて、ここまでしまかぜの魅力を挙げてきましたが、驚くべきはこの豪華列車にかかる追加料金が「通常の特急料金+最大でも1,160円」という安さであることです。

正直、これだけ豪華な設備を持つ列車にこんなに安い追加料金で乗せてもらっていいんですか・・・と気後れするレベルの安さです。

「豪華な座席や個室に食堂車までついてるのにお値段はリーズナブル」というコスパの良さがこの列車の人気を押し上げたことは間違えないでしょう。

本当に、タイトルの通り「パーフェクト・バランス」を持ったひとつの理想形であると思います。

 

②観光列車のロールモデル

このしまかぜの「料金ちょい足し豪華列車」方式は、今後の鉄道車両開発に新しい可能性をもたらしたのではないか、と思います。

 

前回の記事にも書きましたが、今は鉄道会社はどこも経営の見通しが厳しいため、豪華で高コストの列車の開発に踏み切りにくい背景があります。

 

しかし、「乗客にきちんとした価値を提供できる列車であれば従来より高い料金設定をしても乗ってもらえる」ということをしまかぜが証明してくれました。
個人的には、他の鉄道各社もしまかぜに続くような素晴らしい列車を生み出してくれないかな・・・と期待したいです。

いや、ほんとにこの列車はすごいです。
しまかぜに乗れるかどうかで伊勢・志摩旅行の充実度がまるで変ってしまうレベルですからね。
今の日本に旅の充実度をここまで変えてしまう列車ってなかなかありませんからね。

 

皆さんもぜひ、しまかぜでゴージャスな旅を楽しんでみてください!

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これからもよろしくね!

 

それでは今回はここまでです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。